上土権

うわつちけん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  新田開発など特殊な事情によって形成された田畑の耕作農民のもつ一種の耕作権。それ自体が売買・質入れ・貸付けの対象となり、通常の小作権よりははるかに強いものでその売買価格は地床権よりも通例高額であった。市域南部の新田地帯では「土砂」または「畑砂」権といわれた。地租改正のとき上土権所有者には土地所有権が認められなかったので、その後耕作権が尊重される永小作権として存続したが、耕作農民は地主に対する小作人としての地位となった。

執筆者: 山崎隆三

参考文献

  • 熊谷開作「民法実施当時の尼崎の土砂慣行」『地域史研究』第9巻第2号 1979

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