尼崎城隅櫓

あまがさきじょうすみやぐら
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  櫓は城郭の要所に配され、内外の監視や武具食料などを貯蔵する役目をはたす。「矢倉」とも書く。戸田氏鉄が在城した当時の絵図によると、本丸四隅に天守と三重櫓(絵図では「三階櫓」と記す)三棟、二之丸に三重櫓(同前)一棟、松之丸に矢倉一棟があったが、その後の絵図では櫓の棟数が増加したように描かれている。盛期には本丸に武具櫓・伏見櫓・塩噌櫓、二之丸に汐見櫓・亥之中櫓・厩裏櫓・水之手門櫓、南浜に作事裏櫓・南中橋櫓、西三之丸に兵庫橋櫓・大手脇櫓・菊櫓、東三之丸に艮櫓・渋屋橋櫓のあったことが知られる。名称は方位や位置、用途にちなんでいる。ただし、史料によって取り壊しや消失した櫓もあったらしく、「尼崎城惣郭楼石垣間数并城下町家数」(尼崎市教育委員会所蔵/『尼崎市史』第5巻)では矢倉11、多門8、明治の廃城時には天守を含めて櫓13棟が残っていた。

執筆者: 松岡利郎

参考文献

  • 櫻井敏雄・松岡利郎「摂津尼崎城の建築」『地域史研究』第4巻第3号 1975

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