全協

ぜんきょう
日本労働組合全国協議会より転送)
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1928年(昭和3)12月に旧評議会系が日本労働組合全国協議会(全協)を結成、1929年1月の全協神戸地方協議会準備会設立に中島晃・西村好成も参加した。両人は全日本鉄道従業員組合の弾圧で、前年10月には国鉄を懲戒解雇されていた。彼らは滝本福三らと1929年6月の政獲同盟摂陽支部設立に相前後して、摂陽合同労働組合を創立、委員長滝本。書記長中島ほか2人のいずれもが失業者で、それに学生2人が加わって発足、全協加盟を決議して武庫郡瓦木村(現西宮市)に事務所をおいた。1931年3月に全協阪神地区支部に改組した。同支部は全日本無産者芸術連盟(ナップ)機関誌『戦旗』読者会の合法的な活動形態を装って、8月26日の西村ら検挙の前の最盛期には東洋紡績神崎工場・武川ゴムなどに分会を確立し、月額1人30銭の組合費が総額8円にも及んだ。1932年10月までに松本惣一郎・若松寿郎らが阪神地区支部を再建するが、名目的なものにとどまった。

執筆者: 岩村登志夫

参考文献

  • 西村好成「阪神地方全協活動の思い出」『地域史研究』第5巻第3号 1976
  • 『戦前尼崎の労農運動』 1979 尼崎労農旧友会
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