樽工組合

たるこうくみあい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  灘五郷と称される酒どころを控えた阪神地方は、四斗樽を製造する工場が112、従業員は1,200~1,300人にのぼった。封建的な徒弟的労働関係にあったが今津菊松らが組織化への努力を続け、1920年(大正9)友愛会西宮支部を設立した。しかし伸び悩んだため、尼崎の友愛会組織拡大に転じ同支部の設立に尽力した。同年9月3日尼崎・武庫川支部に樽工西宮支部を加えて尼崎合同労組を結成(主事安藤嘉衛門・700人)、10月西宮の蔵元に対し労働条件改善の要求書を出し、賃上げ等労働協約締結に成功した。これを機に組織は拡大し、1923年1月灘製樽工組合が結成された。3月協約改定交渉は決裂しストに突入、自治工場を作って対抗した。暴力団も介入するなか、4月4日西宮の協約を全体に適用させることなどの条件で解決した。

執筆者: 久保在久

参考文献

  • 『総同盟五十年史』第1巻 1964
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