郷払い米

ごうはらいまい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  領主が取り立てる年貢米は一部が城下町などで地売りされることはあるが、領主の御膳米や家臣への知行扶持米分を残して、大部分は領主の手で大坂・京都・江戸等へ回送して売り払われるのがふつうであった。ところが18世紀になると、都市や酒造地帯に近い摂津地方の尼崎藩領・高槻藩領などでは、一部は蔵納めされるが、他は蔵納めの手続きを踏まずに、大庄屋の指図で、落札した地元摂津地方の商人や酒造家に村々から直接貢租米を送り届ける方法がとられた。このように直接に、付近の商人の手にわたる在払い米を、摂津地域では郷払い米、郷渡り米と呼んでいた。

執筆者: 八木哲浩

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