■大物浦(だいもつのうら)と絵画作品(3)―豊原国周―(その2)
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あるいは、一ノ谷の合戦で子息の多くを失い、壇ノ浦で
入水した平経盛(つねもり)など。壇ノ浦で戦没した平
家一門の中でも、とりわけ義経への怨みが深そうな人物
を国周がピックアップしたのではないかと推察されます。
先の浮世絵では、悪天候の様子が伝わってくるデザイン
となっていますが、国周の場合は、平家一門「怨み」の
感情をおどろおどろしい姿で描かれた亡霊で表したり、
あるいは義経一行らの顔を、正面から大きく描いたりし
て、「人」に焦点を当てた表現となっていることがわか
ります。役者絵・美人絵を得意とする国周らしい作品と
言えるのではないでしょうか。
史料館所蔵作品は残念ながら退色が進んでいますが、色
鮮やかな同じ絵は、国際日本文化研究センター風俗図会
データベースでもご覧いただけます。ご関心のある方は
どうぞ検索をしてみてください。
国際日本文化研究センター 風俗図会データベース
http://shinku.nichibun.ac.jp/esoshi/index.php?disp=JP
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