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■大物浦(だいもつのうら)と絵画作品(4)―歌川貞秀―(その1)

by ブログ管理者

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少し間があいてしまいましたが、「船弁慶」の大物浦をモ
チーフとした絵画作品のご紹介、本日で連載最後です。
写真は、玉蘭齊貞秀(歌川貞秀)作の「大物の浦罔像の圖」
で、史料館所蔵のものは、実は、絵はがきです。歌川貞秀
は幕末から明治期に活躍した浮世絵師です。
出航後の悪天候がよく伝わる表現となっていますが、他の
作品と比較すると雨も波も細かく描かれ、特に波の表現は
繊細で技巧的かつ意匠的です。
義経たちを襲う平家の怨霊は、色を抑えて亡霊らしいもの
の、立ち振る舞いは生者そのもので、合戦の風景図となっ
ています。これは先日ご紹介した豊原国周の作品との比較
でよくわかるでしょう。
貞秀の作品で興味深いのは平家の怨霊として描かれた人物
のチョイスです。例えば、平経正(つねまさ)は、壇ノ浦
ではなく、一ノ谷の合戦で戦死した人物。経正は琵琶の名
手として知られ、神戸市兵庫区にはその経正の琵琶を埋め
たと伝わる「琵琶塚」の碑が現在も残ります。また、平忠
度(ただのり)も一ノ谷の戦いで逃れたところを明石で捕
らえられ、討死していますが、明石市の両馬川という川の
名は、忠度の最期のエピソードを伝えるものです。


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