新着史料の紹介−芸能興行願い−(その2)
by ブログ管理者
願人の肥後屋善兵衛ですが、近年病気がちで家業
での稼ぎを行うことができず難渋しているので、
同じ別所村内の小島屋ゑひの明屋敷を借り3月上旬
より10日間ほど「チョンカレト唱講釈噺之類」を
始めたいと、同村年寄・庄屋連印のもと、「尼崎
藩捕亡郷掛」へと願いを上げています。
ちょんがれ(「チョンカレ」)は、江戸後期に盛ん
になった大道芸のひとつで、手ぬぐいをかぶって
小さい木魚をたたき、舞をまいながら早口でうた
いました。歌詞の中に「ちょぼりれちょんがれ」
「ちょぼくれちょんがれ」といった語があること
から、上方では「ちょんがれ」江戸では「ちょぼ
くれ」と称したと考えられており、浪花節の前身
となったといわれています。(「ちょぼくれ」の
項目『日本史大事典』)
尼崎藩捕亡掛は、犯罪取締り・治安維持等を担当
した掛と考えられますが、こうした芸能興行につ
いて、管理・監督をしていたことが知られます。
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