コレラの大流行とその対策(4)〜地域史料(民間所在史料)を紐解く〜(その1)
by ブログ管理者
数日にわたって、『尼崎市史』第3巻の記述、また、公
文書をご紹介しながら、明治期における尼崎町のコレラ
発生時の状況について簡単にお伝えしてきました。
最後は、民間所在史料−各家で保管されてきた史料−の
中から、コレラ関係史料をご紹介しましょう。
写真は、地域研究史料館架蔵の田中利治氏文書のうちの
1点です。
田中家は江戸時代、金楽寺村(現尼崎市金楽寺町)の庄
屋を務め、また近代に入ってからは金楽寺村惣代、区長
などを務めた家柄です。
その文書群のなかに、明治19年(1886)6月26日に発行され
た『大日本私立衛生会雑誌』第37号の附録として、1枚の
印刷されたチラシが含まれていました。タイトルは「コレ
ラの用心」。村の代表を務めていた田中家なので、感染症
の備えについて、村を守るため、心を配っていたのでしょ
うか。
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