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桐一葉(その1)

by ブログ管理者

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桐ならぬ博物館中庭の桜一葉
一昨日に続いて落葉の話題です。こんな句があるのをご存じですか。

桐一葉 落ちて天下の 秋を知る

戦国時代の武将、片桐且元(かたぎりかつもと)が詠んだ句と言われ
ています。
豊臣秀吉の家臣であり、柴田勝家との戦いで名をはせた賤ヶ岳七本槍
のひとりである且元は、尼崎とも関わりがあった人物です。文禄・慶
長期(16世紀末期〜17世紀初頭)には、現尼崎市域を含む摂津国など
で行われた検地の奉行を務めたほか、猪名川や武庫川の水争いを裁い
たりしています。
秀吉没後、大坂の陣の直前、且元は戦を避けるべく徳川方との交渉役
となります。しかし交渉はうまくいかず、かえって豊臣家中から不信
の目で見られ孤立した且元は、やむなく大坂城を退き、心ならずも徳
川方につくことになりました。
冬の陣の前哨戦として、大坂方が堺を攻めたとき、且元は茨木城から
兵を出し、尼崎から海路堺を救援することをこころみます。ところが
尼崎城を守る建部政長・池田重利らは警戒し、片桐勢の入城をこばみ
ました。この結果、且元は堺救援に失敗したばかりでなく、尼崎方面
に出撃してきた大坂方に討たれ、犠牲を出して退く結果となってしま
いました。

(つづく)


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