新着史料紹介「御城下出火之節覚帳」〜尼崎城下町が、もしも火事になったなら〜
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本史料は、城下の火事災害における尼崎藩士たちの対応マニュアル
です。マニュアルは文化11年(1814)4月以前には作成されていたよ
うで、本史料を所持していたのは堀平十郎。堀家は代々家老を務め
た家柄で、備えてあったマニュアルを写し取り、所持していました。
その内容ですが、「城下で火の手が見えたら、事前に指示された場所
に向かい、備えること」とあり、火事の際の持ち場・人員配置はす
でに決定していることがわかります。
また、「火元が尼崎城に近くかつ城が風下である場合は、(城下で
指示された)配備場所ではなく、城に向かうこと」ともあり、尼崎
城の守りを最優先にしていること、各藩士にはその優先順位にした
がって臨機応変に判断、行動するよう求められていることがわかり
ます。
さらに、城下の火事に際しては、近隣15カ村(西難波・杭瀬・別所・
東難波・竹谷新田・東長洲・西川・西長洲・尾浜・東新田・三反田・
小曽根・西新田・東大島・西大島)が、あわせて602人の人足を出す
ことが取り決められていました。
同史料は、歴史博物館地域研究史料室“あまがさきアーカイブズ”
にて閲覧できます。
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