尼崎の地名と古文書(2)〜善法寺/その二〜
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文禄3年(1594)「善法寺村検地帳」(当館寄託太
田善夫氏文書)を少しひもといてみましょう。
写真の赤枠の箇所が土地の一区画(=一筆〔いっ
ぴつ〕)にあたります。一筆ごとにいくつか項目
があり、それぞれ情報が記されています。
「一ノつほ」=田のある善法寺村の当時の小字名
です。
「中」=田の等級です。
「九畝拾三歩」=田の面積です。太閤検地では
中世までの1反=360歩が改められました。1反
(=10畝)=300歩となりました。なお、1歩≒
1間四方、太閤検地では1間=6尺3寸(約1.9メー
トル)ですので、9畝13歩はおおよそ9793.93平
方メートルです。
「壱石弐斗二升六合」=田の分米高(ぶんまいだ
か/年貢徴収の基準となる石高)です。
「かんさき新衛門」=太閤検地では、直接耕作
者を検地帳の名請(なうけ)人とする原則でした。
年貢負担の義務を負います。ここでは善法寺村
の南にある神崎村新衛門の名前があがっていま
す。
このような土地台帳は近世を通じて村ごとに大切
に保管されてきました。
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