『喫茶問答』/新たに収集した史料より(その2)
by ブログ管理者
忠栄は、同書では問答をしている1人に「下情に通じるた
めに伺察官を置くのはよく、賞罰を実施するために置く
のはよくない」と語らせています。「隠密」の設置により、
その任務について家臣も含め様々な憶測・噂でも流れたの
でしょうか。
同書が著された理由は、今後さらに調査を進めていく必
要がありますが、『喫茶問答』を著した意図は、賞罰実
施のためではないことを家臣たちに知らせ安心させよう
とするところにあったのかもしれませんね。
学問や狂歌を好み、文久2年(1862)に隠居した後は親しく
民衆と交流したという忠栄ですが、同書はその忠栄の政
治思想や方針の一端を伺うことができる史料といえるで
しょう。
(おわり)
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