アーカイブログ | あまがさきアーカイブズ公式ブログ








Ringworld
RingBlog v3.22

<< 史料の紹介の記事 >>

「田畑譲り渡証文」

by ブログ管理者

_8F_E3_93_87_95F_95_BA_89q_95_B6_8F_91.png
今日の話題は、昨日画像を掲載した、上島(うえしま)彦兵
衛家文書のうち元禄11年(1698)「田畑譲り渡証文」の内
容についてです。

江戸幕府は、田畑永代(えいたい)売買禁止令という法令
を定めて田地の売買を禁止していましたが、実際には売買
は行なわれていました。
この文書は、田能(たの)村の八左衛門が、当年の年貢を
払えないため、石高一斗五升の畑一か所を代銀三百五十
目(匁)で勘右衛門に売り渡し、その銀を年貢として納め
たことを、村年寄の五郎左衛門を保証人として証明する内
容となっています。
証文の日付は12月21日。年の終わりになっても年貢の
算段がつかず、切羽詰まって畑を売らざるを得なくなった
のかもしれませんね。
ただし、この文書のなかに「本物返(ほんものがえし)に
其方へ売渡し」という表現が出てきます。本物返しという
のは、売り主がのちにその土地を買い戻せることを言いま
す。このように、もとの土地所有者の権利が担保されるの
が、江戸時代の土地売買の特徴でした。近世後期になる
と、売買ではなく質入れの形をとり、請け戻しができる質
地証文が一般的になっていきます。


<< >>