◇●◇●◇「バーチャル歴旅」〜史料館架蔵史料の紹介〜vol.10-2(その2)◇●◇●◇
by ブログ管理者
中央に描かれている村の集落(居屋敷)北側には、氏神で
ある白井神社がみえます。その東には黒い「井」型に似
たマークがありますが、これは用水樋を表します。善法
寺村は西明寺井組に属していました。
黒く太い線が幾筋か描かれていますが、これは「堤」で
す。よく見ると集落を囲う「堤」の外には、「荒地」と
なっていますが、耕地が展開しているのがわかります。
「堤」の外に展開する「堤外地」は、近年江戸幕府によ
る河川の治水政策との観点から注目され、研究が進めら
れています。条件の厳しい土地の開発を進めていく村人
の姿が絵図から垣間見えてきます。
☆「堤外地」についての主な参考文献☆
村田路人「近世治水史研究の新たな試み : 堤外地政策
から治水をみる」『歴史科学』(209)、2012
片山早紀「近世における堤外地利用の変遷 : 摂津国神崎
川堤外地を対象に」『待兼山論叢』(48)、2014
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