仮製地形図

かせいちけいず
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1884年(明治17)から1890年の間に陸軍参謀本部測量課が測量し作成した2万分の1の地形図。大阪・京都・滋賀・奈良・和歌山・兵庫の2府4県にわたる94図からなる。明治初年、内務省地理局が全国の三角測量事業と地図作成を計画したが、西南戦争を機に参謀本部が着手し、緊急に作製したものである。作製を急いだため正規の三角測量に依らず、現在のような緯度・経度は示されていない。同様の測量方法により作製された関東平野一帯の地形図は「迅速測図」と呼んでいる。仮製地形図は、墨版のみの単色刷図のほか、吹田村・大阪・伊丹町・尼崎・西宮町・今津村の6図面の3色刷図(黒・藍・褐)が1887年に出版された。

執筆者: 渡辺久雄

参考文献

  • 小野三正「迅速測図と仮製地形図」『人文地理』第4巻第2号 1952 人文地理学会
  • 『測量・地図百年史』 1960 日本測量協会
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