呉服神社

くれはじんじゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  池田市室町にある旧郷社。祭神は呉服比売〔くれはひめ〕神と仁徳天皇。社伝では「日本書紀」に記す応神天皇41年、渡来系氏族の倭漢氏〔やまとのあや〕の祖・阿知使主〔あちのおみ〕らが呉より連れ帰った縫工女〔きぬぬいめ〕(穴織〔あやはとり〕・呉織〔くれはとり〕ら)がこの地に上って機織の技術を伝えたあと呉織をこの社に祭る、とするが、これは平安中期以後この地を開発した漢氏系坂上〔さかのうえ〕氏の氏族伝承から生まれたもので、同氏の史料に記す呉庭〔くれは〕天王社がその淵源か。「延喜式神名帳」には見えない。しかし池田では穴織〔あやは〕神社(秦上社〔はたのかみしゃ〕とも呼ばれ、さらに室町初期にこの地を支配した池田氏が尼崎の塚口村から遷祀した伊居太神社の名を冠する社)とともに広く住民の崇敬を集め、秦下〔はたのしも〕社とも称した。例祭は10月18日。

執筆者: 松下煌

参考文献

  • 『池田市史』各説編 1960
  • 松下煌「伊居太神社・呉服神社」『日本の神々』第3巻 1983 白水社
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