守部素盞嗚神社十三重塔残欠

もりべすさのおじんじゃじゅうさんじゅうのとうざんけつ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  南武庫之荘8丁目の当社境内東南隅の玉垣の外側に南面して建つ。花崗岩〔かこうがん〕製。元のものは笠の5層目までで、それより上は後補。5層目までの現高は220cm。元は総高480cmの16尺塔であろう。基礎は四面素面、塔身は各面月輪〔がちりん〕内に金剛界四仏の種子〔しゅじ〕を配し、笠はおのおの軸部を造りつけ、下に一重棰形〔たるきがた〕を造り出している。各部の構造手法は整備形式を示すといってよく、おそらく鎌倉後期後半の中ごろ(1315年ごろ)の造立とみられる。なお、この塔のものと推定される相輪の残欠が、同地の共同墓地に残っている。九輪の第7層目以上を欠失しているが、小花入素弁八葉を配した請花〔うけはな〕の形式などは、塔の推定造立年代と一致している。

執筆者: 田岡香逸

参考文献

  • 『尼崎市史』第10巻 1974

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