本興寺開山日隆上人墓題目塔

ほんこうじかいざんにちりゅうしょうにんはかだいもくとう
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  開明町3丁目の同寺歴住墓所にあり、多数並んでいる題目塔のうち最上段中央3基のうち左側の塔。花崗岩〔かこうがん〕製で、完全。基礎は反花〔かえりばな〕式、背面素面、3面は輪郭付格狭間〔こうざま〕入り。塔身は正側3面に輪郭を巻き陽刻蓮華座〔れんげざ〕上に題目を配し、正背2面に次の銘文を陰刻している。

日隆上人(正面)/寛正五年二月 日(背面)(文保3=1319年)

  笠と宝珠は一石より成り、宝珠は小花入単弁八葉を配した請花〔うけばな〕上に円錐形の台形を造りつけた珍しい構造である。銘文中の紀年銘は開山の没年次であるから、塔は日隆上人の入寂後間もないころの造立であろう。その構造手法はきわめて優れ、この年代の笠塔婆として代表的な遺品である。

執筆者: 田岡香逸

参考文献

  • 『尼崎市史』第10巻 1974

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