猪名野

いなの
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  為奈野とも書かれる。地理的には、旧川辺郡に属する猪名川の右岸域の総称。古くはササガヤ・ヨシの生い繁る末墾の原野の続く野であって、歌枕には好適の地であった。「しなが鳥猪名野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿〔やどり〕はなくて」(万葉集巻七/『尼崎市史』第4巻)。やがて野は貴族の狩猟地の時代を経て、東大寺荘園時代となり、次第に開墾が進む。「猪名の笹原」の表示板は現在伊丹市域の阪急電鉄伊丹線沿線にある。

執筆者: 渡辺久雄

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