ユニチカ記念館

ユニチカきねんかん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
ユニチカ記念館(2005年撮影)
ユニチカ記念館(2005年撮影)

  尼崎紡績の本社事務所として、1900年(明治33)に旧尼崎町の辰巳町(現東本町1丁目)に建てられた、市域ではめずらしい明治期の洋風建築。1918年(大正7)に本店営業所が大阪市内に開設されると尼崎工場事務所となり、その後一時は他の用途に転用、1959年(昭和34)に日紡記念館(6月18日竣工式)、1964年ニチボー記念館となり、1969年の会社合併によりユニチカ記念館となった。延面積193.59坪、煉瓦造り2階建て、そのデザインから設計者は日本人と考えられ、煉瓦は英国からの輸入品と伝えられている。

執筆者: 地域研究史料館

  2007年(平成19)11月30日、経済産業省が日本の産業近代化を支えた全国575か所の建造物や機械などを「近代化産業遺産」として認定したと発表し、市内ではユニチカ記念館が東洋精機本館事務所などとともに「阪神工業地帯発展の歩みを物語る」遺産群として認定された。さらに2008年3月28日、ユニチカ記念館は兵庫県の景観形成重要建造物等に指定された。2020年12月23日、老朽化のためユニチカ(株)が解体を検討していたユニチカ記念館について、同社と協力して適切な保存活用方法を検討するよう尼崎市に求める日本建築学会会員(個人)の請願を、尼崎市議会が採択した。その後、尼崎市がユニチカと協議した結果、2022年10月31日、記念館の保存のため建物をユニチカが市に寄附し、敷地は同社から市が買い取ることなどを定める両者の間の覚書を締結した。

執筆者: apedia編集部

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