四ノ坪遺跡

よんのつぼいせき
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  市域の北部、旧中食満四ノ坪(現田能1丁目)にある弥生時代から奈良時代にわたる複合遺跡である。猪名川から分流した藻川が南流する東岸の標高約5mの低地に立地する。北約700mに猪名川を挟んで田能遺跡がある。遺跡は、1966年(昭和41)10月に園和北小学校建設中に発見され、緊急調査が行なわれた。遺構としては、高床式住居あるいは倉庫と考えられる柱穴と柱痕が確認されている。遺物は完形品を含む弥生式後期土器を中心に、土師器〔はじき〕、須恵器〔すえき〕、奈良時代の瓦片が出土している。遺跡の周辺には、田能遺跡、東園田遺跡猪名寺廃寺跡などがあり古くから生活の場として開けていたと考えられる。1992年(平成4)11月に遺跡の北、道路を隔てて園田競馬場内の田能高田遺跡で弥生時代後期から古墳時代の集落跡が確認されており、当遺跡もかなりの広がりをもった遺跡と推定される。

執筆者: 橋爪康至

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