御願塚古墳

ごがづかこふん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  伊丹市御願塚4丁目にある5世紀後半の帆立貝〔ほたてがい〕式前方後円墳でほぼ完存。兵庫県指定史跡。古墳時代前期から中期にかけて形成され、今はほとんど消滅した塚口古墳群の最北にあり、伊丹段丘面の南端に立地する。前方部はほぼ西向きで、東西方向の全長は52m、前方部の幅19m、長さ13m、高さ2mで、後円部の直径39m、高さ7mであり、前方部は低く短く、いわゆる帆立貝式である。周囲には水をたたえた幅8~11mの濠〔ほり〕を巡らしているが、後世に農業用溜池として利用され、濠の拡幅と掘下げが行なわれた。墳項は削平され、社殿が建立されているが、1875年(明治8)9月ごろに石室を掘りあて、埋め戻した旨の記録がある。さらに墳丘の各所で埴輪〔はにわ〕を検出しており、円筒埴輪のみならず、形象埴輪もみられる。最近、外堤の埴輪列と外堤をめぐる周濠も新たに発見された。

執筆者: 橋本久

参考文献

  • 『伊丹市史』第4巻 1968

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