月峰寺

げっぽうじ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  読みは「つきみねでら」とも。

  大阪府豊能郡能勢町宿野にある真言宗寺院。山号は剣尾山。本尊は千手観音。もとは摂津・丹波国境の剣尾山(782m)の山頂近くにあった寺院で、現在も寺跡が残っている。同寺は百済僧日羅〔にちら〕の開基と伝える。日羅は長洲の浦人に浦を照らす霊地を教えられ、その山中で得た霊木の槻〔つき〕の木を彫刻した千手観音を本尊として同地に寺を創建したと伝えられている。「月峰寺縁起」によると、月峰寺建立ののち長洲浦人はこれをあがめ参拝し、灯明を供えたという。ただ遠方のため参拝に不便であることから、長洲浦に一宇の伽藍を建立した。これを長洲の燈炉堂といい、剣尾山に参拝する代わりに灯明を供えたという。同堂は長洲浦に所在したのちの大覚寺に維持管理されたと伝えられる。

執筆者: 田中勇

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