池田山古墳

いけだやまこふん
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  旧塚口字山廻(現塚口本町6丁目)にかつて存在した西南面する全長約71mの前方後円墳。出土遺物から4世紀後半の前期古墳と推定される。1920年代には周辺に20余基の古墳群が遺存していたという。当古墳は1912年(大正元)・1919年1938年(昭和13)の3度にわたる土取り工事で完全に消滅した。断片的な記録からは、後円部中央の表土下2.5m付近に切り石を積んだ石槨〔せっかく〕をもつ竪穴式石槨墳と推定される。同時期の古墳例からすれば、石槨内に朱塗りの割竹形木棺を内蔵していたと考えられる。径19cmの画像鏡〔がぞうきょう〕、径14.7cmの平縁式鏡、直刀、鉄鏃〔てつやじり〕、埴輪〔はにわ〕などが出土したらしいが所在不明。現存する内行花文鏡〔ないこうかもんきょう〕片は推定径20cm、白銅製の後漢形式で、七弧文四葉座鈕〔ちゅう〕であるとすれば発見例はきわめて少ない。土師器〔はじき〕小壺1点も現存している。

執筆者: 村川行弘

  塚口古墳群猪名野古墳群)に属する古墳である。

執筆者: apedia編集部

参考文献

  • 『兵庫県史蹟名勝天然記念物調査報告書』第2輯 1925 兵庫県

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