西播飛び地の木綿専売

せいばんとびちのもめんせんばい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  尼崎藩の飛び地領の赤穂郡上郡村を中心として行なわれた晒木綿の専売。姫路藩の木綿専売成功に見習って尼崎藩が企画し、1851年(嘉永4)正月、藩の交易方が管掌して上郡村に木綿交易会所が設けられた。尼崎藩では鶏卵、名塩紙に続く専売の試みであった。会所の交易掛として木綿仲買・木綿問屋・木綿勘定方・買入木綿預かり方・交易掛屋が置かれ、それぞれ上郡村の商人が担当した。木綿の買い入れは、仲買→問屋→勘定方→預り所→晒し場→赤穂→尼崎という流通経路で行なわれ、江戸に送られた。買い入れは順調に進み、1851年12月には買い入れ資金の不足を補うため銀札発行を許可された。1852年8月交易方が廃止された後も勝手掛のもとで指定商人によって続けられたが、1853年異国船の渡来による江戸の混乱で衰退していった。

執筆者: 地域研究史料館

参考文献

  • 上村雅洋「尼崎藩の木綿専売制度と銀札発行」『地域史研究』第10巻第2号 1981

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