鴨社

かもしゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  正式には賀茂御祖〔かもおみや〕神社といい、京都市左京区に鎮座し、賀茂建角身命〔かもたけつぬみのみこと〕・玉依媛命〔たまよりひめのみこと〕を祀る。一般に、京都市上京区にある賀茂別雷〔かもわけいかづち〕神社を上賀茂社(上社)というのにたいし、当社を下賀茂社(下社)とよぶ。また前者を賀茂社、後者を鴨社と記して区別する事もある。古くから京都盆地北部の賀茂氏の氏神として祭られていたが、平安遷都後は、王城鎮護の神として朝廷の崇敬をうけ、財政面でも保護された。平安中期以降、税収入による国家の経済援助が困難になると、朝廷は、1090年(寛治4)に、上社・下社それぞれに不輸田600余町を寄進し、諸国に御厨〔みくりや〕を設置することを認めて保護を加えた。市域では、すでにこれよりさきの1084年(応徳元)に長洲御厨が成立している。やがて、この長洲御厨が長洲荘へと発展する背景には、朝廷の鴨社に対する崇敬と保護が大きく作用している。

執筆者: 田中文英

参考文献

  • 小島鉦作『神社の社会経済史的研究』 1987 吉川弘文館

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