尼いも

あまいも
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  尼崎町南部の新城屋初島両新田地帯(現向島・高洲・松島・初島の諸町)特産の甘藷。江戸時代寛政年中(1789~1801)に栽培されはじめたと伝えられる。土質が小石交じり砂地の乾燥した適地で、味のよい赤白2種の甘藷がとれた。1874年(明治7)の兵庫県各区の物産表によると、第9区(ほぼ旧尼崎町の地域)の「芋」産額は1万8,250円(その大部分は甘藷と考えられる)で同区の農産額2万9,844円の61%を占める。1905年ころ最盛期で尼崎町の作付面積は211町歩、産額63万貫に達し、川辺郡全体の73%を占めたが、その後この地帯に工場建設がすすんだために1912年(大正元)には140町歩に減少した。それに代わって隣接する旧大庄村南部の道意中浜新田などに甘藷作が普及し、1916年には作付面積138町歩に達した。

執筆者: 山崎隆三

参考文献

  • 「兵庫県著名農産物栽培録」『兵庫県農工商業雑報』 1891
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