猪名川川床遺跡

いながわかわどこいせき
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  市の北東部端を東流する猪名川にかかる猪名川橋の下流約500m、園田競馬場北側にあたる。東西約150m、南北約30mの範囲で、縄文土器、弥生土器、土師器〔はじき〕、須恵器〔すえき〕などが採集されている。遺跡の上流には、田能遺跡、口酒井遺跡などがあり、特に田能遺跡は発掘によって、遺跡の一部が猪名川によって削り取られていることが確認されており、遺物の多くは田能遺跡のものと考えられるが、川床の中央には、遺物包含層もあるため詳しいことは将来の調査を待ちたい。藻川川床遺跡とともに、市域において縄文時代晩期の遺物が確認されている数少ない遺跡である。遺物は全て破片であるが、甕〔かめ〕形土器、鉢形土器がある。口酒井遺跡、田能遺跡とともに、縄文時代晩期から弥生時代への移行期を考えるうえで重要な遺跡の一つである。

執筆者: 橋爪康至

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