西宮神社

にしのみやじんじゃ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  福の神、戎の宮の総本社。えびす大神を祀る。古来より漁業者に海幸をもたらす神として厚い信仰を受けていたが、中世以降福神信仰の発達とともに商売繁盛の神として全国的に崇敬される。これには、当社に所属した百太夫を始祖とする傀儡子の一団が居住し、人形操りを特技として地方へ巡行、活躍したことが注目せられる。最盛期(中世末)には宮中に参入した上覧に供するほどであった。記録によれば、近世中期には尼崎城主の息女が再三にわたり芝居見物に来場したことが見える。明治中期には勢力が衰え淡路に移行し、さらには大阪文楽の発達に大きな影響を与えた。また、1751年(宝暦元)城主松平忠名が武運長久を祈って奉納した絵馬が残っている。西宮は、かつて当社の門前町として発展し、銘酒の産地として名高い、近年「十日戎」には百万人を越える参拝客で賑わう。

執筆者: 吉井良隆

参考文献

  • 『西宮神社の歴史』 1985 西宮神社
  • 『西宮市史』第1巻 1959・2 1960

関連項目

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