大物川

だいもつがわ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』
ごみ捨て場同様となった大物川(1965年撮影)
ごみ捨て場同様となった大物川(1965年撮影)

  尼崎デルタ上を流れる河川の一つ。恐らく古代にできた沿岸砂州を区切って、東西方向に流れていた淀川・猪名川などの末流の一つであろう。最初のうちは沿岸砂州相互の間隔も広く、海に散在する個々の砂州の集まりであったが、年とともにデルタ形成が進み、砂州どうしが結合し、最後に取り残された末流の名残りが大物川であろう。歴史上では平安末期以降、大物浦や大物泊りの地名として出てくる。猪名川水系のいくつかの流れが長洲付近で合流して大物川となり、大物町に沿ってカーブし、尼崎城の東側から南に抜けて左門殿川に合流していたが、1960年代前半ころには上流も下流も締め切られて水量もほとんどなくなり、ごみ捨て場同様となった。このため、1965年から5か年計画の埋め立て工事が実施されたのち、延長約6kmの跡地が大物川緑道として整備された。

執筆者: 渡辺久雄

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