等級選挙制

とうきゅうせんきょせい
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1888年(明治21)公布の市制・町村制による市町村会議員選挙の独特の制度。町村会についていうと、有権者を直接町村税の納入額の多いものから順に加算して納税総額の半額に達したまでのものを1級選挙人とし、それ以下のものを2級として区分(市の場合は3級に区分)し、各級選挙人がそれぞれ議員定数の半数を選挙するという不平等な制度である。たとえば1889年大庄村の場合、1級36人、2級225人の選挙人が議員定数12人の半数ずつを選挙したが、結果は1級から11人、2級から1人が選出された(被選挙権は等級の区別はない)。こうして少数の有権者が議員の多数を独占し、町村内の有力者が議会を支配することが可能となった。同年の尼崎町会の選挙結果では議員定数24人のうち1級12人中11人までが地主・資本家で、2級12人のうちにも1級選挙人と考えられる有力者が4人当選した。1921人(大正10)の選挙制度改革で町村の等級選挙制度は廃止され、1926年の普通選挙法の施行とともに市の等級制も廃止された。

執筆者: 山崎隆三

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