市立尼崎診療所

しりつあまがさきしんりょうしょ
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  1922年(大正11)8月、旧城郭内二の丸(現南城内)の尼崎市役所敷地内の一角に、市立尼崎診療所が開設された。通称実費診療所。「中産階級以下の住民」(診療所規程)を診療の対象とし、所得税および国税営業税を納める者、ならびに家賃月額30円以上の家屋に居住する者は救急以外では受診できず、逆に困窮者は実費も減免された。当初は木造平屋建て15坪、医師・薬剤師・看護婦各1名であったが、翌1923年4月には2階建て延48坪を新築し移転した。受診延人数は1922年の4,054人から1928年(昭和3)には4万404人と激増、需要に対応すべく1927年には医師・看護婦各1名を増員し、1931年からは夜間診療・往診制度も実施した。1936年北城内の庄下川東岸に木造2階建て、延面積271.69坪の施設を新築し、10月県に移管、県立西宮懐仁病院尼崎分院となった。

執筆者: 地域研究史料館

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