本咲利兵衛

ほんざきりへえ
泉屋利兵衛より転送)
出典: Web版尼崎地域史事典『apedia』

  本咲氏は1720年(享保5)から明治の廃藩にいたるまで尼崎藩の掛屋を代々勤め、両替商を営んだ尼崎城下有数の富商。屋号は泉屋であった。初代の自休は1657年(明暦3)摂津国島上郡福井村(現茨木市)に生まれ、掛屋・両替商となる以前は古手物売買などの商業経営を行なっていたという。1737年(元文2)2代目利兵衛が中在家町1丁目の居宅と西隣の掛屋敷を相続しているが、19世紀初めには宮町築地町などの尼崎城下だけでなく、天満天神初町・谷町3丁目など大坂市中のも営業の拠点を持っていた。1777年(安永6)に尼崎藩札の札元となって以降、幕末まで藩札発行にかかわった。また尼崎海岸部の新田開発・経営に加わり、東高洲新地の開発に出資し、又兵衛新田・大浜新田・新城屋新田などを買い取っている。

執筆者: 地域研究史料館

参考文献

  • 作道洋太郎「尼崎藩の財政金融と泉屋利兵衛」『地域史研究』第3巻第2号 1973
  • 作道洋太郎「泉屋利兵衛の系譜と創業」『地域史研究』第3巻第3号 1974

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