大尼崎鳥瞰図


 牧生騏画 昭和8年 尼崎市立地域研究史料館蔵
(80.5×365.0cm)
 昭和8年(1933)、尼崎商工会議所の前身である尼崎商工共和会は、尼崎市および周辺地域の商工業地帯としての繁栄ぶりを広く宣伝するため、「大尼崎鳥瞰図〔ちょうかんず〕」のリーフレット1万部を作成し、配布しました。ここに掲げたのは、そのリーフレットの原図の全体図と現尼崎市域の部分の拡大図、及び刊行物版です。昭和55年に、谷田アイ子氏より尼崎市に寄贈されました。
 この鳥瞰図は、考案者の名前から「初三郎図〔はつさぶろうず〕」と呼ばれる、独特の遠近法を用いたパノラマ図として描かれています。画面の中央に、商工業地帯として発達しつつある、当時の小田村・尼崎市・大庄〔おおしょう〕村を配し、この地域全体を「大尼崎」と呼称しています。
 作者の牧生騏(本名・牧喜世蔵)は対象地域を1か月がかりで自転車で回ってスケッチブックに風景を写生し、さらに約1か月をかけてこの図を描き上げたということです。


(全体図)

(現尼崎市域の部分拡大図)

(刊行物版)